今回は中国国務院と雲南省人民政府の招待による亜太華商論会というイベント(投資誘致目的)に参加してきました。 (写真右)投資はさておき、雲南と言えばプーアル茶。 会議を抜け出し、元雲南茶葉公司輸出担当、現海湾茶業の協同経営者、王女士に街中を案内してもらいました。 もともと、中国の貿易は全て国が管理しており、各省には国家直営の輸出窓口である公司が存在していて、 雲南茶葉公司は雲南プーアル茶の唯一の輸出窓口でした。その後、中国でも市場開放が進み、 雲南茶葉公司にいた社員が何人も独立し、現地の工場と協力して会社を立ち上げるケースが増えました。 現在、雲南茶葉公司は独自の工場を持たず製品を買い集めて輸出しているだけなので、我々も品質管理や 農薬使用のトレースが取れるこれらの公司と契約を結ぶ方向にシフトして来ました。 |
さて、本来は西双版納などの茶園を見学に行きたかったのだが、昆明に到着してその日の夜は政府主催の歓迎宴会がありそれだけは外せず、スケジュール自体が現地に2泊3日とタイトだったので残念ながら今回は断念。昆明市内でもあればと思ったのですが、昆明はお茶の生育には適さないようで、市内には茶園はないとのこと。(まあ、確かにかなり都会ではありました)。仕方が無いので、取り合えず、王女士の会社に案内してもらいました。昆明市技術開発特区におよそ日本円で一億円近くを投資して新設された建物は、近代的な外観が、とても中国茶を取り扱う公司には見えませんでした。(写真左)プーアル茶の中国における現状と、今後の展望を説明してもらいました。それによると現在の中国国内のプーアル茶市場はおよそ以下の通り: |
| 1、現在の中国プーアル茶市場 | |
| ① | プーアル茶価格高騰の背景 ★2003年ごろから一部香港や広東の茶商が「プーアル茶餅」は古ければ古いほど価値があるとし、高価なプーアル茶餅などを贈答用などに使用し、国内市場の価格上昇を画策、それによってまんまと中国にプーアル茶ブームが起こる。 ★また近年の健康志向から、今までは香港・広東以外では飲まれていなかったプーアル茶が全国区になって行ったことも一因 |
| ② | 原料価格の推移 中国国内での雲南プーアル茶流通価格:1997年にはキロ当たり8人民元(日本円約127円)だったのが、2003年ごろには85元(日本円約1350円) 2006年にはなんと180元(日本円約2858円)、2009年(早ければ2008年)には1000元を超える可能性も有ると市場では言われている(多分無い、と思う) |
| ③ | 市場の原理 現在、①②の要因から国内では需要過多、供給は(偽物が登場してはいるが)一定量から増えないので、価格がどんどん上昇する。(市場の原理) |
| ④ | 同じく①②の要因から中国ではわざわざ面倒で価格も安い日本に輸出する必要(茶農民が輸出公司に売る)が無い |
| 次に、街中にを案内してもらい今の話が何の誇張もないことをこの眼で確かめることに。 もともとプーアル茶の本場だけあって、昆民市内は通り沿いにお茶を売る小さなお店が点在している。そのほとんどが前面のショーウィンドウでは茶餅を売っている。 この数年で4つできたというプーアル茶の卸売り市場の一つに連れて行ってもらった。入り口は車2台がすれ違えるほどの狭い道でしたが、中に入ってびっくり。まちに小さな町が一つ存在していました。 それが全てプーアル茶を売る卸問屋だというから更にびっくり。以前は緑茶などを売る店もあったそうだが、 現在ではほとんどがプーアル茶、それも茶餅を売っているそうです。 先ずは、王女士の公司がメインに茶餅を卸している一軒の問屋に行く。王女士の公司が設立して初めて作ったと言う餅茶を入れてもらう。 まだそれほど年月が立っていないので香りも味も柔らかい。まろやかな口当たりにあっという間に20杯ほど杯を重ねてしまう(小杯だけど)。 次に行ったのは王女士の古くからの友人で、数年前まで香港で茶商を営んでいたが、ここ数年のプーアル茶の高騰でとうとう香港では商売にならなくなった
ため、地元に雲南に戻って再起を図るべくはじめたお店。 前の店で飲んだのが比較的若いお茶だったので、対比の意味で古茶を頂く。93年製造の「生茶」だ。完全にプーアル茶として成熟しきってはいないが、途中香港であったのでかなりの成熟度合い。 良いプーアル茶の特徴である「参味」(人参の味)がする。 また、微かな緑茶の味わいも残っていてこちらもどんどん杯が進んだ。 二軒で合わせて50杯以上(小杯だけど)もお茶を飲み、流石に腹が膨れてきた。 しかし嫌な気分ではない。むしろおなかが減ったと言うか、何か胃に入れたい感じだ。 これら二軒のどちらの茶館でも王女士は早く商品を回してくれといわれていた。 こんなに多く店舗があり、商品も所狭しと並んでいるのに、まだまだ供給が追いつかないと言う。 雲南省のみならず、中国全土からバイヤーが押し寄せ、また海外からもわざわざ買い付けに訪れる人々がいるとのこと。 一つ一つの茶餅の値段は決して安くはありません。改めて中国の現在のパワーを再確認しました |
![]() ひしめき合う中国茶卸売り店 ![]() 通りには県外ナンバーの車も目立つ ![]() 93年もの「生茶」餅茶 |
| ●まとめ 今回の視察で強く感じたのは、中国のパワーの再確認と、今後我々に残さされているのは中国の条件を飲むか飲まないかの二つの選択しかないということです。そして条件が受け入れられない場合でも彼らは痛くも痒くもない、ただ我々に商品を売らないだけなのです。 細かくて価格も安い日本にわざわざ売らなくても、中国国内で黙っていても奪い合うように商品は売れていきます。 なぜわざわざ日本に売る必要があるでしょう? そしてそれは今後プーアル茶だけでなく、全ての中国商品についても同様の状況になっていくことは間違いありません。 すでに一部の商品では同様の現象が起こっているのです。 |
| 【雲南プーアル茶】 雲南プーアル茶とは、主に雲南省西山版納・孟海・安寧などの茶産地から取れる大葉種を原料として、手工により発酵(約45日~60日)させたものを言います。 1970年代以前は雲南プーアル茶は自然に発酵させたものがほとんどだった。 人工的に発酵させる工法はもともとは広東のプーアル茶(広東茶葉公司)から雲南に渡っていったとのこと (現海湾茶行の孟海茶葉公司の総・副経理が雲南に持ち帰り発展させた) 【プーアル「熟茶」とプーアル「生茶」の謎】 最近プーアル茶餅にプーアル「熟茶」、プーアル「生茶」と表記されているものを良く目にすることが有ります。プーアル茶は後発酵しているはずなのに「生茶」と言うのはいかに? 結論から言うとプーアル餅茶「生茶」と言うのは、緑茶のことであり、正式にはプーアル茶ではない。 (この「プーアル茶餅「生茶」と言うフレーズが定着してしまったので、これに対して「プーアル熟茶」と言う表現が生まれた) この緑茶が自然に発酵していく過程を楽しめると言うことで、「生茶」が現在人気があります(消費も「生茶」の方が多い) 緑茶が自然発酵して正式にプーアル茶となるには雲南では30年かかる(雲南は乾燥しているため) と言われています。 (香港や広東などの湿気が多い地方では15年ぐらい-都市によって発酵にかかる時間が異なる) 実際に多く飲まれているのはこちらの「生茶」餅茶、つまり緑茶の方でして、現地では曰く、貯めるのは「熟茶」、飲むのは「生茶」 【高山プーアル茶が農薬を使っていない理由】 一言で言うと、以前は原料茶葉の卸価格が安すぎたため茶農は貧しく、お茶を売って農薬を買う余裕が無かったから。 今、茶農は非常に裕福になり、今後は使いだすのは間違いない。 海湾茶業では自社契約茶農に対して農薬の指導・制限を実施しているが、守らない茶農や周囲からの飛散を密かに奈危惧しているとのことでした。 |